デスゲーム系漫画の中で個人的にかなり評価の高い『今際の国のアリス』
ネタバレなしのレビューを書いたものの、まだまだ語り足りないので熱が冷めないうちにネタバレありレビューも書きます。
先に言っておきますが、この記事論文かってくらい長いですw
それだけ作品愛がデカいってこと。
ドラマも現在公開されているシーズン2まで全て視聴したので、漫画とドラマの違いについても触れていこうと思う。
この漫画、最後まで明かされない謎が有ったりして考察が捗るんですよね~。
『不思議の国のアリス』オマージュ
恥ずかしながら『不思議の国のアリス』は小さい頃に1度見たくらいで、内容はうろ覚えだったんですよ。
だから前の記事ではオマージュ要素がトランプとアリス、ウサギって名前くらいなのかなと思ってたんですが、ドラマも見終わった後で調べたら他にも色々ありましたね。
- チシヤ(=チェシャ猫)
- ドードー
- ボーシヤ
- ウミガメ
この辺の登場人物の名前も不思議の国のアリスネタらしい。詳しくないのでチェシャ猫しかわからないけど…。
これ以外にも超詳しく元ネタ探しされてる方もいました。
うん、難しすぎてわからん!w
確かにボーシヤだけなんで職業名なの~。とか、やけに名前が難しい・リアルにいなさそうな感じだなって思ってたんですが、もしかして全員元ネタがあるのかもしれないですね。
あと最後のゲームでやったクロッケー。
これもクロッケーって日本じゃマイナーで分かりづらいからゲートボールでよくね?と思ってたら、本家の方でハートの女王とクロッケーをやるシーンがあるみたい。
確かに言われてみればあった気がする。フラミンゴで打つやつかな?
ハートの女王=ハートのクイーン=ミラとのクロッケーってことで、もろオマージュでした。
後から知っても結構楽しいけど、本家に詳しければ漫画読みながらテンション爆上がりだったんだろうなー。と思うとちょっと悔しい。
明かされなかった謎の考察
入国時期の差
今際の国のアリス 15巻
入国時期の差=災害が起きてから心停止になるまでの時間 + 心停止してた時間の差かな。
アリスが今際の国にいたのは約1ヵ月。
生還後に「1分程度心臓が止まってた」と弟が言ってるので、現実世界の1分=今際の国での1ヵ月ということになる。
2分心停止してたら2ヵ月。ビーチ幹部あたりがそのくらいですね。
マヒルが「人によって生き残るためのノルマが違うのか?」と言ってましたが、まさにその通り。実際心停止してる時間が長いほど救命率下がるし。
というより作中でのマヒルの考察はほぼ全部正解で、アリスの知りたかった今際の国の真実だったというね。
「でぃいらあ」として入国する人がいるのはなぜか
現実世界への生還がプレイヤーに比べて圧倒的不利なので、もしかすると完全ランダムとかではなく、隕石事故でのダメージが大きくほぼ助かる見込みナシの人たちだったのかもしれない。
「プレイヤーの命全部犠牲にしないといけないくらい無理ゲーだけど一応チャンスあげるよ。」「ちょうどいいからついでにゲームの運営手伝ってね。」っていう感じかな?
「じょおかぁ」って結局何者?
アリスの言う「中間管理職」、意味深な三途の川のコマ。
そこから考えて、三途の川で船漕いでる鬼みたいなやつがジョーカーかな?と思いました。
今際の国のアリス 18巻
どいつを船であっち側に運ぶかという選別をしてる、今際の国のゲームマスター的な立ち位置ではあるけど、その選別をやれって指示してる神様とか閻魔様が上にいるっていう。
続編である『今際の国のアリス RETRY』では小規模な事故でまたげぇむが始まるんですが、そうやって色んなところでげぇむが行われていると考えるとジョーカーは多分いっぱいいる。
会社でいうところの部長くらいなのかもしれない。w
隕石災害では選別するべき人間の数がめちゃくちゃ多かったから繁忙期ってやつですね。
ジョーカーさん残業して船漕いでると思う
国民になるとどうなるのか
国民になると選択した時点で現実世界では植物人間、もしくは脳死扱いになっているんじゃないでしょうか。
ゲームに勝とうがもう今際の国からは出られない、けど今際の国で死んでもいない。
「どくぼう」で出てきたバンダとヤバは国民になることを選んだけど、現実世界の死亡者リストには名前が無かったことからも現実世界で死んではいないことが分かる。
もちろん、プレイヤーに負けた時点で死亡扱いになるのは前国民(キューマ達)の例からしても明らか。
誰かが育てたスイカ
今際の国のアリス 12巻
謎というほどの謎じゃなくてちっさい伏線だけど、ちゃんと回収されてることに気付いて嬉しくなったやつ。
キューマ戦の後でアリスが見つけてきたスイカ、これミラが育ててたやつだよね!
公園にあったってアリスが言っててミラ達も公園で朝活してたってこと、国民たちの入国はアリス達の入国の5ヵ月前と説明があるので、スイカの収穫までの日数からしてもぴったり合う。
スイカの栽培にかかる日数は、実は気候により大きく変わります。
亜熱帯気候の場合は、種まきから約3か月でスイカが収穫できます。一方、温帯気候では5~6か月はかかるでしょう。
日本列島の多くは温帯気候に属するため、スイカ作りには比較的長い期間が必要になります。4月に種をまき、9月になってようやく収穫を迎えることができます。
南原ファーム HP
ネトフリドラマとの違い
まず漫画の実写化って原作ファンから批判されることが多いと思うんだけど、この作品のドラマは原作好きとしてもかなり良かった部類だと思っている。
ドラマの方が原作よりいい!と思った場面もあるんですが、省略・改変された部分を原作を読んで知る事でよりこの作品を楽しめるとも思っているので、ドラマ派の方には全力で漫画も布教します。
主要人物が参加するげぇむがほぼ違う
アリス達が初っ端参加するゲーム(ホテルから脱出するやつ)からして違う。このゲームはドラマオリジナルで、本当は神社でやる「おみくじ」ってゲームなんですよね。
その他アリスが参加するゲームもほとんどが原作と違って、原作では別のプレイヤーが参加したゲームだったり、vsスペードのQとの「ちぇっくめいと」はドラマオリジナル。
やっぱりゲームに関しては原作にあったものの方が設定が緻密だなという印象を受けましたね。
「ちぇっくめいと」とか、どう考えてもプレイヤー側が負けようがないガバガバルールやんけ!と思ったし、あのゲーム入れる必要性があまりわからなかった。
ここが唯一ドラマでの特大残念ポイント
登場頻度の高いチシヤの参加ゲームもほぼ違った。
ドラマでチシヤが参加してたゲームはこれ↓
- おにごっこ(スペードの5)→原作と同じ
- どくぼう(ハートのJ)→原作では参加なし
原作でおにごっこ以外の参加ゲーム↓
- まぁじゃん(ダイヤのJ)
- ぶらっくじゃっく(ダイヤの6)
漫画にある「ぶらっくじゃっく」でのイカサマし放題な感じが大好きだったんでドラマでのカットはちょっと残念だけど、どくぼうにチシヤが参加してるのもそれはそれでよかった。
そしてドラマで派手にやってたvsスペードのK。
原作ではアグニ、ヘイヤ、ドードー(ドラマ未登場・中学生)の3人で倒してるんですよ。
これはドラマ版も漫画版もどっちも好き。漫画版だとアグニ株がより上がります。
vsスペードのK
上でも挙げたように、vsスペードのKは一番原作と違ったところじゃないでしょうか。
本来はアグニ、ヘイヤ、ドードーのアグニファミリーで倒すけど、ドラマだと総力戦みたいな感じになってる。
多分映像での迫力を最大限に生かすためにこうなったと思うんですよね。アンがかっこよすぎるカーチェイスシーンも原作にはないし。
ドラマ版も漫画版もどっちも好きと言ったけど、
- ドラマ→アクションシーンの迫力とドキドキ感が◎
- 漫画→アグニファミリーの絆の描かれ方が◎(あとサバゲーチーム応援したくなるw)
こんな感じ!
ドラマでヘイヤとアンが殺された!!!?と思って泣きそうになったけど、生きててよかった!
人物の背景や過去話が省略されている
原作ではサブ登場人物1人1人の過去について結構細かく書かれてて、それがドラマでは省略されているものが多かった。こればっかりは尺的にしょうがないとは思うけど。
個人的にクズリュー(ダイヤのK)の現実世界での話がカットされ過ぎて、これドラマ勢にはなんでゲームで自滅したのかが分かりにくいんじゃないかなとは思いましたね。
シーラビ(スペードのK)の話もかな。
友人に頼まれて殺したのがトラウマってのは分かるけど、じゃあなんでキングになってプライヤーを殺戮してるのかが分からないって人はいたと思う。
それ以外には、国民側のボスたち
- クズリュー(ダイヤのK)
- キューマ(クラブのK)
- ミラ(ハートのQ)
- シーラビ(スペードのK)
この4人は実はプレイヤー時代から交流があって、そこの描写が結構エモいんですよ。
そこを見るとキューマはまあ置いといて、他の3人も結構いい奴だな~普通の人間だな~って分かるので是非漫画で見て欲しい。
特にミラが可愛い
さいごに
久しぶりに良作品に出合えて楽しかったです。
ドラマは予算どんだけあるの?ってくらいCGやらアクションがすごいし、無人の東京の撮影なんてどうやったんだろ?って疑問だったんですが、あれセットでまるごと作ったらしいですね。
スケール凄すぎてびっくり
カーチェイスシーンは流石にセットじゃなく名古屋で撮影したみたいですが、標識はちゃんと都内の地名になってたりしてて全く分からなかった。
海外ドラマのウォーキングデッドにハマってたとき、「こういうスケールでかいドラマは海外じゃないと無理だよね」と思ってたけど、日本でも出来ちゃうもんなんだね。感激。
vsキューマも良かったですね。別の意味で。
もうあれ山pのケツしか目に入らなくない?w
話が全然入ってこないんやけど?っていうクイナのセリフ、ほんとその通りだよ。
絶妙なカメラワークで山ピーの山ピーが映らない工夫がされてるの、製作陣の無駄なこだわりが伝わってきて面白かったですね。
とにかく!
今際の国のアリスの為だけにネトフリ初めて契約したんですが、めちゃくちゃ満足でした。
シーズン3が制作中のようで、続編公開が今から超楽しみ!
シーズン2までで原作の最終話までの内容は終わってるので、完全オリジナルなのか続編『リトライ』の話なのか、そのあたりが気になるところですね。
ドラマ勢の方は漫画を、漫画勢の方はドラマも。どっちも見た方は私と作品を語り合いましょう~。
おわり!