『キノの旅』は後味悪いけどじわじわハマるスルメ系アニメ

『キノの旅』は後味悪いけどじわじわハマるスルメ系アニメ

スルメ系って言葉知っていますか?

「噛めば噛むほど味が出てハマる」という事の比喩から生まれた言葉で、「沼る」に近い意味ですね。

今回はこの言葉がピッタリすぎるアニメをご紹介したいと思います。

『キノの旅』ってアニメで、どういう作品か一言で説明するのがすごく難しいんですが

  • 鬱要素
  • 考察が捗る
  • 後味が悪い
  • 寓話性

こういう要素を含みます。

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『キノの旅』は世界観が独特でハマる

この作品はキノと相棒のエルメス(喋るバイク)が旅をしながら様々な国を巡るという、1話完結型のファンタジーです。

作者によれば『銀河鉄道999』をモデルにしてるみたいですね。

私はアニメだけ見ましたが元はラノベです。あとコミックと絵本なんかも出てたりする。

物語の世界にある国はそれぞれが全く異なる文化レベル・倫理観を持っていて、例えば全ての仕事がロボットによって自動化され人が全く働かなくてもいい国がある一方で、原始的で世紀末みたいになっている国もある。

基本的にそれぞれの国は独立した存在ですが、まれに友好関係にある国や戦争してる国もあったりします。

キノたちはそんな国々を巡りながらそこに住む人たちと関わっていくんですが、国民の倫理観が特殊…というよりぶっちゃけオカシイ国が多く、なにかとトラブルに巻き込まれたり後味の悪い旅立ちになることも多いんですよw

キノは基本的に1つの国に滞在するのは3日国に深く介入しないというルールのもと行動しているので、自分から何かアクションを起こすというよりは傍観者みたいな立ち位置なんですけどね。

会話メインの作品なので絵面のインパクトは無いですが、じわじわとハマっていくような中毒性のある作品です。

どういう話かわからんから具体例をくれ!

たしかに

このブログでは基本的にネタバレなしで作品を紹介してるんですが、『キノの旅』に関しては文章だけで内容を説明するのが難しすぎるので、短めの1話だけ紹介します。

レールの上の三人の男 -On the Rails-

キノが線路に沿って進んでいると、線路上に一人の老人がいた。

それまで通ってきた線路はボロボロであったが、老人の後ろ側の線路はピカピカに磨かれており、話を聞くと入社した鉄道会社から言われてもう50年ほどこの仕事をしているらしい。

国にも帰っていないが、会社からこの作業を止めろとは言われていないのでまだ仕事を続けるのだという。

老人と別れてさらにレールの上を進むと、別の老人に出くわす。見ると先のレールは全て外され、脇に置かれていた。

2人目の老人と別れ進むと、また別の老人に出会う。

彼の後ろにはまた敷かれ直されたレールがあった。材料は全部横に置いてあるんだと言う老人。

この2人も会社から止めろと言われてないので50年ほど同じ仕事をしており、一度も国に帰っていないという。

これ、穴を掘ってまた埋める「穴掘り拷問」に近いものを感じてなんか不気味ですね。

3人が事実を知らないことが不幸中の幸いなのかもしれない。

一回国に帰れよとか、会社に連絡しろよとは思うけど、指示待ちロボットなのが普通っていう倫理観の国なんでしょう。多分。

この回に限らず、『キノの旅』の話って道徳の授業なんかで使ったら面白そうってアニメ見ながら思ってました。

アニメの評価は分かれそう

アニメ化は実は2度されていて、2003年に放送された第1作、2017年第2作がある。

話の内容は同じものもあればそれぞれにしかないものもあります。

原作ファンにとっては第1作の方が好評で、第2作はかなり不評みたいですね。

キノのキャラクター像がブレてるとかなんとか

原作未読の私からすると第1作の作画と声優さんの演技が最初は受け付けなくて、1話の序盤で見るのやめようかと思ったくらいだったのでちょっと驚きでしたが。

第1作は古めのアニメということもあって作画も当時基準でいえば酷いってほどではないんですが、それ抜きにしてもかなり独特の絵柄なんですよ。

ちっちゃいですがサムネを絵の参考に↓

演技に関してはキノもエルメスもだいぶ棒読み感があるし…。

キノ役の方は本業声優さんではなく女優さんなので、ある程度仕方ないかなとは後で思ったんですけどね。(何様)

ただ1話の「人の痛みが分かる国」を見終わってみると、「このアニメ面白くね?」の感情の方が勝ってそれらは気にならなくなりましたね。

それどころかその作画と演技からくる淡々さなんかが、アニメのちょっと不気味な雰囲気にマッチしていてむしろちょうどいいのは?と思い始めたくらい。

問題は1話の冒頭で私の最初の印象と同じようなことを思って、離脱してしまう人がいるんじゃないかという事!

話の内容はすごくいいんでそれだけにもったいないとは思う。


第2作に関しては絵も声もまあ言ってしまえば普通ですね。良くも悪くも最近のアニメって感じ。

第2作のイラスト参考↓

気になったのはキャラの動きのCG感が激しいということ。あとは絵が綺麗というか明るくなりすぎて第1作にあった不気味な雰囲気は消滅してしまっていること。

これは確かに原作勢にはウケが悪いかもしれないなという印象はありました。

第1作、第2作全部見終わって見ればどちらも一長一短だとは思う。

内容は同じじゃないものも多いので両方見ることをおすすめします!

初見の方は第2作から入った方がいいのかな?

離脱組は「優しい国」を見て欲しい!

一度見るのをやめちゃった方は「優しい国」というエピソードだけでもぜひ見て欲しいと思う。

読者の人気投票で1位を取った回というだけあります。ほんとに。

オムニバス形式の作品なのでこの回だけ見ても大丈夫!

作品の性質上いろんなタイプの話がありますが、この回は悲しい系かな?

あんまり感情的にならないキノも結構ショック受けてた感がありました。

アニメ『キノの旅』が見れるサービス

現在見放題の範囲で見れるのは

この2つのようです。

意外と少なかった;;

気になった方は是非見てみてください

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