SESはやめとけ。ブラックSESあるあるをまとめてみた

SESはやめとけ。ブラックSESあるあるをまとめてみた

「SESは闇。やめとけ」と言われる一方で「そんなことねえ!優良企業もあるよ」という意見も見かけます。

これ結論としてはどっちも正しいです。

私も実際にSES企業で働いてたことがあるんですが、残念ながら就職できたのは闇の方でした…。

今回はその時の体験を思い出しながら、時には同じくSESで働いていた友人から聞いた話も交えながら、ブラックSESあるあるを書いていこうと思います。

ネタみたいな本当にあった話なので、同業者でもそうでない方も面白く読んでいただけるんじゃなかろうか。

思いが溢れすぎて超大作になってしまいましたが、暇な方は最後までお付き合いください。

似たようなやつで「IT専門学校はやめとけ」の記事はこちら。

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【前提のお話】SESってなに?という方へ

そもそもSESがなんなのか分からないことには、この記事の話が全く分からないと思うので簡単に説明します!

SESというのは会社がエンジニアを技術力提供という体で貸し出す業務形態のこと。そんな事業をやってる会社をSES企業といいます。

厳密に言うと違うけど派遣会社みたいなもの

SES企業はクライアントから社員に払われる報酬からマージンを取って成り立っているので、1人でも多くの捨て駒(社員)をとにかく現場にぶち込みたいわけです。

元々IT界隈は多重下請け構造が蔓延していて闇深いですが、SESがヤバいと言われる最大の理由はこの下請けも下請けの、一体何次請けなのか分からないようなところにぶち込まれやすいからなんですよね。

つまり社員がもらえる給料は低賃金であることが多く、それなのに長時間勤務はザラということも多いです。

私は今もIT界隈自体にはいますが、SES企業は本当に!心の底から!辞めてよかったと思っています。

今SESで働いていて、SES企業の在り方にちょっとでも疑問を持っている方。

そんなあなたにはさっさと転職することをおススメします。

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ちょっと脱線しましたが、SESについて知らなかった人もこれでなんとなく分かってもらえたと思うので、早速ブラックSESあるあるについて書いていきます~。

面接や採用に関わること

経験上、働き始める前の雰囲気である程度その会社がブラックなのかそうでないかを見分けることができると思ってます。

こんな要素が見られる企業は要注意!

学歴・経験不問

SES企業はとにかく人を派遣しまくってマージンが欲しい!そのための捨て駒が欲しい!

別に自社で働くわけではないのでどんな無能でもOK。

後で出てきますが常駐が決まる前には必ずクライアントとの面談があるんですよ。

そこでは今までの経験やITレベルしか問われない。

だから学歴は関係ないし、経験は無くても盛ればいい。

そう会社側は思っているので「学歴・経験不問!アットホームな会社です」とかいう謳い文句でIT業界に夢見る低学歴やニート、未経験者を釣るんですよね。

「IT業界は経験を積めばスキルも付くし、そしたら大規模な開発にも関われるよ!給料上がるよ!」

まあこれは全部が全部間違いって訳じゃないですが、安易にこんなことを言ってくる相手は要注意。

それはあなたをうまく丸め込みたいだけなのです…。

実際は永久にスキルなんかつかない単純作業を永遠にやらされるパターンの方が多いです。

いきなり社長面接&その場で採用

先述のような宣伝文句でノコノコと面接にやってきた奴はもれなく全員採用です。

貴重な捨て駒ですからね。

だから本来面接なんてする必要はないのですが、一応「やってる感」を演出するためにやるというわけ。

ここで駒に不信感を持たれてしまっては入社辞退やら即退職で利益が減るだけでなく、クライアントと揉めてめんどくさいことになりかねないからです。

面接をしたら即採用。書類は郵送したりするやり取りがめんどくさいのでその場で書かせます。

お友達紹介システムがある

1人でも多くの捨て駒が欲しいけど採用情報を載せるのにもお金がかかる…。

ではどうするかというと、社員に人を連れてきてもらうのが手っ取り早い。

1人紹介すると10万円ボーナス!

こうすれば社員が積極的に人探しをするというわけ。

なんかソシャゲみたいだなと思ってました


実は私がブラックSESで働くきっかけはまさにこれで、友人からの紹介だったんですよね。

何年も直接的な連絡はしてなかったけど、仕事探してる~的なことをTwitterに書いたらLINEが飛んできて。

まあSESは現場による当たり外れが大きいので、友人的には自社のことを本気で良いと思って誘ってくれたのかもしれないんですが、紹介ボーナスのことは一切聞いてなかったので後で知ってちょっとモヤったのも確か…。

私はその会社すぐ辞めちゃったけど10万円は無事にもらえたのかな?彼は元気なんだろうか。

とにかくアサイン、アサイン、アサインだ!!!

SES企業は社員を現場に送り出すことで利益を得ているので、待機中の人員がいないようにしたいというのはブラックでもホワイトでも同じです。

しかしブラックの場合、社員の事情や将来性なんて一切気にしてないので、色んなことを無視してとにかく現場へアサインしたがります。

それはもう「少しくらいその気を隠す努力をしたら?」とこっちが思ってしまうくらい強引に。

未経験でも研修はない

ブラックSESは社員を育てて単価の高い案件にアサインすることよりも、すぐに手に入るマージンを優先する。

最初から社員を育てる気なんてないので業界未経験でも研修はなし!

その代わり?に「勉強会」という聞こえはいいけど、つまるところ無給で仕事に関係する勉強をやる時間が設けられてたりします。

主に土日に自社で行われ、先生役は先輩社員たち。

ただし頑張って勉強したところで実務経験にはならないので、案件がグレードアップすることはあまりない。

そもそもIT系の仕事じゃない

未経験で研修もなくて、いきなりプログラムなんて書けないよー!

常駐先が決まらないんじゃ…。

と不安になる必要もなかった。(悪い意味で)

なぜなら未経験者がぶち込まれる案件は

  • テスト工程(システムポチポチ、証拠をスクショ→Excelに貼る)
  • システム保守、管理部門とは名ばかりのコールセンター
  • パワポでひたすら資料を作る

こんなITでもなんでもない雑用案件だからである。

別にPCがまともに使えなくてもできる簡単なお仕事

ブラックSESに引っかかる人は少なからず「IT系の仕事をやりたい」と思っていた人間なので、理想と現実の差で苦しむことになります。

スキルシートを勝手に盛られる

現場への常駐が決まる前には必ず面談というものをやります。

面談というかまあガッツリ面接ですね。

法律には詳しくないんですが、本来こういう面接もやってはいけないらしいんですよね。

しかしIT業界では当たり前のこととして黙認されています。

そんな面談の際に使うスキルシート。

  • 扱える言語、ソフト
  • 持っている資格
  • 業務経験

などなど書かれているものなんですが、ブラックの場合これを勝手に盛られます。

例えばjavaを学校の授業でちょろっとやった程度だとしても「実務経験2年」とかになってて、もう目玉ポーンですね。

面談で嘘をつかされる

嘘のスキルシート持参で面談に行くので必然的に面談で嘘をつくことになります。

ただほとんどは同行する担当者が勝手に面接官と喋ってくれるので、自分で嘘をつかなくていいのは救いかもしれない。

自分は無言で頷くか「ハイ」だけ言うお人形状態で座ってて、気付いたら面談終わってます。

通勤時間を考慮しない

「都内で通勤片道2時間なんて普通だよ?」

実際に社長に言われた言葉なんですが、都内住みの方、これマジなんですか?

まあ未経験者でアサインできそうな現場が乗換しまくりの辺境地しかなかったんでしょうが、私には毎日通勤だけで4時間持ってかれるのは無理です。

単独常駐させられる

SESって本来は常駐先から仕事の指示をされてはいけない、あくまで自社が指示をする。という決まりがあって、それを回避するために自社の管理者と最低でも2人以上で常駐する必要があるのですが、ブラックの場合はそんなことお構いなしです。

管理者通せば直指示OKなのもよくわからんが

違法行為に巻き込まれることにもなるし、完全アウェーの現場に放り込まれて精神的にも辛いし、常駐先の社員は自社の人間以上にあなたを育てる気も必要性もないので、なんにも教えてもらえずに詰みます。

待機中の給料が少ないor無い

常駐先が決まらずに待機となる際、給料が普段通りもらえればいいですが、ブラックの場合休業扱いにされ60%しか給料を払ってもらえないということが起こり得ます。

60%払えば会社は違法行為にはならないのですが、そんなことは一言も面接のときに聞いてないので急に収入が減って詰みます。

ちなみに私は一時退職扱いにされかけました。(つまり一切金は出さないと。ひでえ)

なのでそんな状況を打破しようと、微妙な現場にもいかざるを得ないということになってしまうのです。

働き方や給料について

みんなが気になるお金のハナシも。

偽装請負が横行している(というかほぼこれ)

単独常駐のところで少し触れたのですが、SESは指揮権が自社にあるので常駐先の人間からあれやこれやと指示されるのは違法なんですよね。

ただ現状はこれが黙認されてるし横行しています。

この状態を偽装請負というんですが、名前からしてま~ヤバそうですよね。w

なぜSES企業は派遣業ではなくSESをやっているのかというと、派遣業をやる場合は免許が必要だったり、色んな契約関連がめんどくさくなるからです。

ただ働くだけなのにこういう違法行為に巻き込まれる事実に耐えられますか?

SESとして働いたからといって自分が逮捕や処罰されることは恐らくないですが、なぜ後ろめたい気持ちで働かなければいけないのか、私にはもう分かりませんでした。

マージン率を教えてくれない

こういうことは聞かれるまでもなく、最初に会社側から社員に伝えるのが道理だとは思いますが、それとなく聞いてみてもはぐらかされるだけでした。

今になって調べたところ、SESのマージン率は平均35%〜40%程度らしいです。

高っ!

報酬の半分近くがなにもしてない会社に取られるんですよ?ちょっと考えたくない数字ですよね。

そして気になって過去に働いていたブラックSESのHPを数年ぶりに見てみたら、なんとマージン率が公開されてたんですよ!!!

驚異の45%!

当時と同じかわからないですが、当たり前のように平均超えしててもう、ね。

給料は上がらない

未経験者の場合は特に、一生スキルの身につかない現場で単純作業をすることになるので給料は上がりません。

仮にある程度のスキルがあって高単価の案件にアサインされていても、社内の給与テーブルによって給料が決まるので、会社側の利益が上がるだけで本人への還元は微々たるものです。

出張手当なども全て自社の基準によるので、やればやるほど自分が損をします。

私は頻繁に沖縄に出張のある現場にいたこともありますが、交通費や宿泊費は会社持ちだったものの、出張手当として支給されたのは1回につき3000円くらいだったんですよね。

移動時間とか全く考慮されていないので、時間と労力が無駄になるだけでした。

クライアントが超下請け企業

私が体験した最高は6次受けです。

常駐前には面談があると書きましたが、n次受けの場合はその回数分人身売買の奴隷のような扱いを受けることになります。

というのも最終的なクライアントとの面談に行くのは自社の人間とではなく、その一つ下の下請け企業担当者となのですが、そこに至る前に間の全部の会社の担当者に次々と引き渡されるからなんですね。

ちょっとややこしい…。

各担当者との待ち合わせは駅とかカフェとかで、

〇次請け担当者「本日はよろしくお願いします~。こちら〇〇(私)です。(私は〇次請け企業社員の体なので呼び捨て)」

〇次-1請け担当者「はい~。ではお預かりします~。」

これを繰り返します。まるで奴隷か家畜のよう。

自社の担当と行く最初の引き渡しの時以外は自社名で名乗ることもNGなので、自分が一体何者なのかもだんだんわからなくなってきます。

もちろん間に挟まる企業が増えるほど単価もしょぼくなるので、お財布にもダメージを与えてきます。

偽装名刺を渡される

面談の時も自社名を名乗れなかった訳ですが、それは常駐先が決まって働き始めてからも同じです。

「この会社の社員として振舞え」と始めに言われ、ご丁寧に偽装名刺まで渡されることも。

お客さんのところに出向いて作業したり別会社と会議をしたりするので、そんな時の混乱を避けるためというのが主な理由だとは思いますが、一方で下請け企業使いまくりの会社って印象があまり良くないので、そう思われることを避ける意味合いもあります。

偽装名刺がない場合は本来マナー違反である「ちょうど名刺を切らしておりまして…。」を毎回演技する必要があり正直辛いですが、相手も事情を察する場合が多く深く突っ込んでくることはない。

自席やPCがない

常駐先の社員のことをプロパーさんと呼んだりしますが、プロパーとSESの間にはぶっ厚い壁があります。

それは気持ち的な意味ではなく、物理的にも。例えばデスクの位置もそう。

というより酷いところだと席がなかったりPCが無いなんてこともあるらしい。

私も常駐先では所属する部署の島から遠く離れた、オフィスの端っこのただの長机で作業してました。(しかもパーテーションで区切られてて部署の島から見えなくなってる)

恐らく同じように連れてこられたであろう他社SESの人間がポツポツ座ってましたが、超空気どんよりでしんどかったですね。

自社の仲良しごっこがキモイ

これは本当にSES企業ならではの「あるある」

やたら社内イベントが多い

SES社員は基本自社オフィスに行くことはないし自社社員との関りがないので、帰属意識が薄れていく傾向にあります。

そこで月一での「帰社日」という制度を設けているところが多く、帰属意識を持たせるためにわざわざ全員で集まるんですよね。(やることは報告会という名のお菓子パーティー)

ちなみに自社オフィスは人が沢山入ることを想定していなく手狭なので、どっか適当なレンタルオフィスを借りてやります。

その他やけにBBQやらスポーツ大会やら、自社社員との交流を大事にしやがります。

プライベートと仕事をはっきり分けたいタイプの人間にとっては普通に行きたくないし、断りにくくて休みをつぶされるし正直迷惑でしかありません。

自社の業務はボランティア

自社の雑用は利益を生み出さないので、そこに割く人員も最低限です。

会社というものはとりあえずHPが必要だったりしますが、社員にたくさんエンジニアがいるのに外注なんてモッタイナイ。

でもみんな現場にぶち込んでて自社オフィスにはいないんだよな~。

じゃあ休みの日にやってもらお!無給で。

てな感じで、そんな時も「HPの立ち上げ経験」やら「SNS運用経験」とかいう甘い言葉で釣って社員に無給でやらせます。

そんなんやる奴いないやろって思うんですけどね~。いるんですよ、これが。

多分なんかもうおかしくなってるんだと思った。

さいごに

ホワイトSESもあるとは言いましたが、こんなブラックSES企業がたくさんあることも事実です。

特に未経験でSES企業に就職するのは絶対やめた方がいいですね。

新卒の場合も同じ

あまりにもヤバい経験だったので今となっては笑い話ですが、当時はそんな環境から抜け出すことに結構勇気が必要だったのも事実。

現在進行形でブラックSESにいる方。辛くなる前に転職しましょう。

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私は今でもあの会社にいたらと思うと心底ゾッとします。

退社後に結局独学でエンジニアになったのですが、それについてはまた別で記事にします。

ではでは。おわり!

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